第10章 たくましき仲間たち

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しんせい

M-4Sロケット3号機の打上げに先立っては、実験班の面々の間で衛星の愛称公募が行われた。ミューセンター、レーダーセンター、テレメーターセンター、コントロールセンター、……それぞれに投票箱が置かれ、一人一人がひらがな・漢字・ローマ字の名前を投票用紙に書き入れて投げ入れた。この時から、衛星の愛称は投票を基礎にして決められる慣例となった。

多数決で決めるのではない。最後は「長老がた」の集まりによって決定される。

3号機は日本で最初の科学衛星を搭載していたが、フェアリングをかぶせる前に、ミューセンターの組立室でみんなが別れを惜しんだ。側面にびっしりと貼られた太陽電池の紫色が目に鮮やかで、「しせい」(紫星)という美しい名前を出した人もいたらしいが、選考結果は「しんせい」(新星)となった。当時の紙巻きたばこに「しんせい」というのがあったので、選にもれた人が口々に「安煙草みたいでいやだなあ」と遠吠えをしていた。

「しんせい/MS−F2」

「しんせい/MS−F2」

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