研究者と子どもをつなぐコーディネーターに

2年半程前、公募で現職に就かれました。JAXAに来る前はどんなお仕事を。

ずっと教育畑を歩んできました。北海道で高校の教員(農業・理科)を10年。その後、教育委員会の社会教育主事となり、ホールの芸術・文化振興に関する業務に4年間従事しました。上京し、代々木のオリンピックセンターで青少年教育と国際交流事業に携わり、北海道に戻って「生涯学習情報システム」の仕事や、研修担当として少年自然の家での野外教育なども経験しました。最後は紋別の小学校で校長を2年7カ月ほど務めました。宇宙との関連を強いてあげれば、高校教員の採用が地学で通ったので、その中に若干宇宙の要素も入っていたことくらいでしょうか。でも、小学生のころからお小遣いで『天文ガイド』を買って読んでいましたから、宇宙好きではあったと思います。

宇宙研に対する第一印象は。

いろんな分野で世界最先端の研究をされているすごい方々が集まっておられる場所だなと。そうした中で一緒に働かせてもらえることを、非常に光栄に思いました。宇宙とは無縁の世界で生きてきましたが、学校教育、社会教育、学習情報、国際交流活動などかなり広範囲にやって来たので、これらの経験を宇宙教育という領域に活かしたい。そして、第一線のすごい研究者と子どもたちをつなげるコーディネーターになりたいと思います。最先端の研究成果を子どもたちにわかりやすく、また夢を与えるようなかたちで伝えることを心がけています。

現在のお仕事は。

学校教育支援では授業連携や教員研修を行います。もちろん自分が教えるのではなく、教育現場で先生に活用していただく宇宙教育教材を用意したり、お手伝いやアドバイスを行っています。社会教育活動支援では、体験型学習プログラムの「コズミックカレッジ」や親子で学ぶ「宇宙の学校」。高校生対象の「エアロスペーススクール」、相模原キャンパスでは「君が作る宇宙ミッション(きみっしょん)」。他にも「国際水ロケット大会」など、宇宙教育センターの様々な事業の運営と地域の教育活動を支援しています。

ジャズピアノ、休日は野外ライブも。

宇宙教育センターの魅力は。

「宇宙が子どもたちの心に火をつける」をコンセプトとするJAXAの宇宙教育は、他国の宇宙機関の活動と比べるとユニークなものです。宇宙に関係する道に進むための人材育成に主眼を置くのではなく、宇宙教育センターの対象は、小・中学生を中心とした子どもたち。彼らの好奇心・冒険心、自分の手でモノをつくりだす創造性を育むことが目的で、将来的に宇宙開発やロケット研究にイノベーションを起こせるような人材が育つかもしれません。学び続ける態度は子どもの頃の経験によって育まれます。ホンモノに触れたり、研究者から直接話を聞く貴重な機会は、きっと将来に活かされていくことでしょう。たとえば「きみっしょん」のような事業に参加した高校生は、5日間の体験学習が終わるとがらっと印象が変わります。人前で話せるようになったり自分に自信がついたり、学習の意欲が喚起される様子が顕著にみられます。ここが宇宙教育センターの事業の特徴で、社会貢献度の高いプログラムは他国にも自慢できるものだと思っています。

音楽演奏が趣味と聞いています。

30~40代はアマチュアオーケストラ(バイオリン)、50代後半からは地元のライブハウスのメンバーになり、野外ライブなどお声がかかれば参加しています。大学時代はジャズ研。最近になって、ジャズピアノを本格的にやろうと練習を再開しました。ジャンルは問わず、歌謡曲の伴奏でもなんでもやりますよ。実はJAXAにも知る人ぞ知る職場バンドがあって、年に2~3回は演奏機会を持っています。それ以外には、これといった趣味はありません。かつては年間300冊の読書をノルマとしていましたが、最近は忙しくてとてもできなくなりました。

今後の目標を。

宇宙研の先生方に、快く教育活動に参加していただく方法を思案しています。皆さんお忙しい中ご協力してくださいますが、こちらからお願いしているだけではいけない。お互いにプラスになるようなアイデアを模索しているところです。

【 ISASニュース 2018年5月号(No.446) 掲載】